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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

04-12-2003 / Thursday

_ 明け方の夢。

たぶん、初めてのことだけど、音楽付きの夢。内容はまるでどこかのサイトを見ているみたいに文字列が並んでいるというつまらない画像なのだけど、そこに音楽が流れていた。それはまちがいなく、Everything But the Girl の Amplified Heart。こんなこともあるのだなと思いながら夢をみていたというのか、目覚めかけていたというのか。不思議なこともあったものだ。

_ というわけで、激動の日々は間もなく終わり…ますか?

いろいろと今日もたいへんだったのだけど、去年に比べたら全然、気持ちの持ちようが違う。去年はほんとに、今から考えると「よくがんばった」とちょっとだけ自信をもってもいいくらいに、しんどかったなと思う。そのしんどいということばを周りの人にも全開で出せたことが、逆説的ではあるが、あるいはよかったのかなと、勝手な感想なのだけど思ったりもする。何処にも出せないで溜め込んでいたとしたら、ほんとうにどうなっていたことやら、自分でもわからない。泥船は案外と沈まないものなのかもしれない。

今日は少しショックなニュースが舞い込んできたのだけど、自分の中では驚くほどにあっさりと受け流せた。年は取ったけど結構強くなったな、と思ってもよいのかもしれない。いいのかな。。。いいのかもしれない。。。

_ 帰国するとしばらくの間はずっと、「昨日までどこそこにいたのにな」「一週間前はこんなことしたな」「一ヶ月前はあーだった、こーだった…」ということを考える毎日が続く。どの時点から前に進みつつ後ろを振り返ることを止めるようになるかは、自分でも判然としないのだけど、たぶん、次の出発日の目安がついたときかなと思ったりする。物理的な「次」でもあるし、気持ち的な「次」とか「明日」のこと。自分が今どこにいるのか、どこに行こうとしているのかポジショニングできると、安心するということなのかもしれない。


04-12-2005 / Sunday

_ 今度はスーツケースで行くので、荷造りとか。ここのところ、毎回、前日徹夜で荷造りしていたので、反省。その割には、昨日、寝る前に読み始めた米原万里の「オリガ・モリソヴナの反語法」がおもしろくて、徹夜してしまった。

米原万里を最初に読んだのは、「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」だった。こちらは、ソビエト学校時代の同級生の行方を探し求めるエッセーだたのだが、小説以上におもしろい話だと思って読んだ。今回の「オリガ・モリソヴナ」は、基本的にはソビエト学校時代の経験を土台として、壮大な歴史が掘り越される小説とされている。しかし、小説以上のスピード感がある。これだけは書き記したいという米原さんの強い意志がそこここに溢れている。登場人物が多い。登場人物は全員、饒舌に語る。それにもかかわらず、まるで舞台でも観ているかのように、目の前にその場面が次々にリアルに再構築されて通り過ぎてゆく。読み出したら、とても途中で止められなかった。

戦争と文学、政治と文学の親和性について、ときどき浮かんでくることがあったけど、まとまらないな。どんなふうに生きるか、どんなふうに死ぬか。それをさまざまな形で表現することが、文学なのだろうか。とにかく、おもしろかった。


04-12-2009 / Friday

_ 若い人と一緒にご飯食べたりする。エネルギーがすごいっすね。食べっぷりが違う。

_ ミジンコさんは、やはり乗り物に乗るのが好きなようで、電車のなかではものすごくばたばたと動く。おけいはんではなくて、京阪電車の女性車掌とか運転手、客室乗務員とか、トラックの運転手になりたいと思ったりするかもしれない。船長さんもいいいかな。超音波でみる限りでは女の子らしいが、男の子であってもどちらでもOK。元気におなかから飛び出してきてください。

_ 外国人を、とくに非欧米諸国から日本に招聘するというのは、なかなかに難儀でっせとは聞いていたので、別に驚いているわけではない。わたしの場合は配偶者を呼び寄せるだけのことなので、とくにハードルが高いということでもない。しかしながら、ほんの数年前までは、夫が妻を呼び寄せるのと、その逆とでは、少々、難易度が異なっていたともきく。また夫が邦人の場合と妻が邦人の場合の非欧米諸国夫婦の間の子の処遇についても、格差(というかもっと直接的にいえば、ただの差別)があった。これらはすでに一部が改善されており、わが国と某国の間での国籍条項に関しては、ひじょうによくなったと思われる。

わたしが今回帰国してからの若干1か月の間だけでも、国際結婚が破綻した夫婦間の子どもの処遇を巡る新聞記事が、朝日新聞だけでも2回掲載された。2回目は本日朝刊。日本のこれまでの慣例に従えば、母親の方に親権が託され、父親は養育費を払うという結果になることが多いらしい。諸外国でも、実際に居住するのは母方が多いようだが、親権は母親と父親の双方に与えられる国もまた多いらしい。よって日本とは違い、面会権は実に正確に行使されることが多いから、別れた夫婦が案外と近場にそれぞれの新しい生活圏を構えるということも多いようだ(「パリの女は産んでいる」中島さおり、ポプラ文庫に、フランスの事例が詳しい)。日本は少し違うかもしれない。近年、国際結婚に破綻した日本人女性が、子どもを連れて日本に帰国することで、国際児童誘拐罪に問われる事例が相次いでいるようだ。子どもにとっての両親は、もはや夫婦ではなくなっており、たがいに意思疎通を図りづらい状況下にある場合、刑事裁判の対象となってしまうようだ。

わが夫の国の場合、仮に社会的な父親がいたとしても、その子が成人し結婚するまでは生物学的父親が親権を持つと、慣例的に定められている。離婚した母親は、たとえ子どもを引き取って同居していたとしても、「社会的に」生物学的父親の代わりになることができない。生物学的父親がすでに故人である場合は、父方のオジあるいは存命していれば祖父がその替わりを務めることができる。「慣例」は民法などで定められた法律ではないのであるがなかなかに厄介でもある。あとあとまでそのことがさまざまに語られもする。こと出自と出生というなんとなく似ているけどまったく意味が異なるふたつに関して、離婚していようがしていまいが、某国の人は実にあとあとまでさまざまに語る。これは日本でもある意味同じかもしれない。ミジンコさんに関しては、わたしが「どうだ、日本生まれなんだじょー。すごいだろー」と、ポジティブ・キャンペーンを展開してあげないといけない。日本生まれの何がどうすごいのかの説明の仕方も合わせて、たくさんいろいろなことを考えてあげないといけない。日本人だから特別という説明ではなくて、どこで生まれてもみんなと同じだし、みんなと同じで「みんなとは違うところもあるねんでー」というような説明しか思い浮かばないけれど。。

日本は、なまじ陸の国境を持たない国だから、アジア諸国や欧米諸国等々に比べて、「外国」の存在がおおきい。ミジンコさんがおとなになるころには、アジア諸国もEUみたいに自由に往来できるような環境になっていればよいのだが、これはむずかしそう。EUだって苦労しているわけですし。国家=文化という方程式を崩すようなパラダイム転換とか、やっぱりなかなかにむずかしいのでしょうな。


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