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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

20-03-2006 / Monday [長年日記]

_ そういえば、華人集団と話していてなぜかまたラオスへ行こうという話で盛り上がった。なぜなのだろう?なにがラオスに駆り立てるのか、またしてもわからないままに酩酊してしまった。50度の自家醸造のお酒をみんなで飲んだのだけど、これは薬なのだとか。だから二日酔いしないと言われて飲んだものの、たいへんなことになった。まさに薬のアルコールの味がするお酒と、味のないウォッカみたいなのと混ぜて飲んだ。ちゃんと歩くことができたし、気分も悪くなかったけれど、昼間のことがあったので、タクシーで送ってもらったら、もう気分が悪いの悪くないのって。あまりの気分の悪さに、ホテルに帰ってしばらくソファに沈む。ベッドで横になるのが不安になるほどだった。落ち着いてからホテルの隣の711にミネラル水を買いに行き、湯船に浸かりながら水分補給しようと思ったら、なんと水しかでないお風呂だった。このホテルは、部屋によってクオリティが極端に異なる。震えながら、コイル式湯沸かしでお湯をわかして、洗面台にお湯を張って蒸しタオルを作ってしのぐ。そうこうしているうちに酔いも収まる。翌日、慌てなくて済むようにパッキングして着替えを出して寝たのがまたしても2時。起きたのが4時半。眠さも峠を越してしまった今、またしても夜更かし中。なんだかこれではだめな気がする。

_ 夜、久しぶりに伝統音楽の生演奏を聴いた。といっても、偶然、歩いていた道沿いの集会所での練習風景に遭遇したのだった。端っこに椅子を出してもらって、静かに聴く。いろいろと迫り来るものがあり、目頭が滲んできたかもしれなかった。随分、熱心に聴いていたらしい。あとで、団長さんが挨拶に来られた。放心していたみたい。音楽を聴いて、魂を奪われたのは、かなり久しぶりのことだった。人の心に訴える音楽って、確かにありますね。ホテルに帰ってからも、夜、眠れなくなる。仕方がなく、テラスで、カモミール茶を飲みながら、日誌整理。夜になると寒い。寝たのはもう2時前だったかな。眠いのだけど、音楽がずっと頭の中で鳴り続けていた。

朝、4時に起きて、水浴びして、空港へ。寒い。かばんから襟巻きを出して巻く。暖かい飲み物を飲もうと思ったのだが、コーヒー一杯、千円也、とある。ポケットに両手を突っ込み、ベンチに横になる。昔はホテル代を惜しんで、よく空港の玄関で寝た。今思えば、トランジットのマニラの空港が一番、怖かった。。ほんとーに、怖かった。なのに、眠れたのはなぜだったのか。マニラなど、もう何百年も行っていない。今も怖いのかな。最近、全然、こういう経験なかったなと思いながら、ほんとに寝てしまう。起きたら、ちょうどボーディングの時間だった。

いろいろ乗り継ぎ、いくつか国境を越えて、やっと新河童国。定宿に無事に部屋が取れて、荷物を置いて、とりあえず専門書店へ。なんでこんなところにきちゃうんだろうね。とか思いつつ、棚をみていると、今日は日曜日なのでもう閉店ですとのこと。わあー、わたし明日、日本に帰ってしまうから、ごめんなさい、ご迷惑をおかけしますけど、5分だけください、とお願いして、3冊購入。碑文のすばらしいボリュームが全部そろっていたのだけど、お金がなかったし(ここは3万円以上買わないと、カードが使えないのだ)、もうすでにたくさんほかの本があったので、やめた。この本、出版した人はほんとに偉いと思う。何しろ、東南アジア中の華人墓地の墓碑とか中華寺の看板を撮影してあるすごい本なのです。東南アジア諸国内では、Oversea Chineseなんて、ほんとは言ってはいけないのかもしれない。なぜなら、本当のOverseaは、この域内の外のことなのだから。それで歩いて、Ngee An Cityの紀伊國屋へ。ええーと、なんでNew Age関係図書コーナーに、Homi BhabahとDavid Lodgeが並んでいるんだ?いや、いいのかもしれないけど、The Prophetと一緒に並んでいるのも微妙。GibranはNew Ageでよいかもしらんが。ものすごく長居をしてしまった。

それで怖いことがあったのはそのあとのこと。そのまま歩いて、別のビル内のホーカーで、おやつに雲呑麺を食べた。ふと視線を感じて、前を向くと、隣のテーブルに着いていた男性が、わたしをじっとみている。目が合うと、あわてて視線をそらすので、知り合いと間違ったのかなと思った。そのままそばを食べ続けていると、またわたしを見る。大概、わたしも自意識過剰な人間なので、とりあえずじっと見返して(!)、そばを食べ続けた。スープを飲んでいると、お椀の縁越しにさらに視線が合う。男、わざとらしい慌て振りで目をそらす。なんじゃ、と思って、さらに男性がわざとらしく視線を逸らした直後に、すぐに席を立った。勝手知ったる某国なので、とりあえず、入り口の二つある婦人厠所へ。入ったところと違う入り口が出たところで、待ち伏せしていた男性とかち合う。しかし、何も言わない。逆に、びっくりしたような顔をしてわたしを見る。冷静になろう。人混みに紛れるべく、オーチャードの真ん中を歩いた。何度か信号を渡って、道を左右しながら歩いたのだけど、人気も少なくなるサマセットを過ぎたあたりで、ふと、信号待ちの隣に男が立っているのが見えた。怖くなった。ドービーゴートまで重い本を抱えてほとんど走って(結構、距離がある)、思い切ってMRTに乗る。約束があったので、来たバスになんでも飛び乗るということもできなかった。タクシーを止めることももう怖くてできなかった。余程、道を歩いている人に事情を話して保護してもらおうかと思ったけれど、何かあったわけではないから、うまく説明できそうにない。ようやく駆け込んだMRTの中では、座席列の真ん中に座った。わたしを見ている人はいない。路線を乗り換える時も、知らないアベックにぴったりくっついていた。Bugisで降りて、地下フードコートの混雑に紛れて、リフトで地上に上がって、あたりを見回したら、西武の建物の対面のケンタッキーの前の信号で、あの男が人を探している。。

結果、約束の靴売り場で友達に無事に会えたので、すぐにタクシーで食事会のある場所へ移動したのだけど、ほんとに怖かったでした。というのは、その男の人が、香港マフィアみたいな感じだったから。香港マフィアの本物を知らないから違うかもしれないけど、ジャッキー・チェンの映画とかで悪者役をするタイプの人。にこりともしない。40歳くらいのおじさんだったが、女の子を引っかけるタイプの人にはまったく見えないところが、さらに怖かったのか。食事会は、凸凹大で学位を取って帰国した人たちの集まりだったのだけど、そのことを話したら、まあとりあえずは、「キミがすてきだったからだよ」と言ってくれるわけですが、わたしは実は、今回の滞在中、散髪屋でほとんど五分刈りみたいに髪を切られてしまっている。1センチだけ切ってね、といったのに、40センチくらいあった髪を残り1センチくらいにされてしまったのだ。あまりのショックで、ほんとうに何日も食事がのどを通らなかったほどで、ここに書く気力もなかったくらい。そういうわけで、すてきからほどとおいわたしとしては、ひたすら怖かったのでした。で、話は結局、「はやく結婚しなさい。アナタ、独身なのが悪いね」といういつものネタのサカナにされ、ことあるごとに乾杯!を繰り返す華人集団にもみくちゃにされて、いつものように二日酔いで呆然としながら、帰ってきました。いや、あの変なおじさんがすてきだったら、わたしのほうから「よくあいますね」とか言ったかもしれませんけど。とりとめもない話でしたが、落ちもなく、おわります。いろいろありすぎてなんか整理できず。明日からまた、国内巡業に行ってきますー。


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