_ 子どもがひとりで立つようになった。仁王立ちになって得意げな角度に頭を上げ、一人前に笑っている。もう怖いものはなし。ちゃぶ台の上にだって這い上がるのだ。軽い引き出しならすっと開ける。大人がなにかを隠した戸棚もしっかりと頭に刻み込み、はいはいで猪突猛進。届かないとわかっていても、一所懸命背伸びをするから、いつの間にか背も伸びてきた。5ヶ月の終わりあたりから、つかまり立ちをするようになり、どうかするとたまに一人で立ち上がることもあった。伝い歩きが始まったのは8ヶ月に入ってからのことだったけれど、同年代の某国の豆のようにちっちゃな赤ちゃんたちに比べると、とにかくなにもかも早かったようである。歯も8本生えている。子どもが一年間でできるようになることの立派さに比べて、大人の一年間の不毛さよ。