_ 子どものわがままっぷりに泣かされている。朝、顔を洗うと、わたしよりも先に化粧グッズをおいている棚の前に陣取り、わたしが化粧品を使うと、自分にも使わせろと主張する。乳液を掌に出すと、すかさず人差し指を浸して、実に誇らしげな顔をして、なぜか耳の後ろに塗る。眉を描けば、自分にも描いてくれと、目を閉じて顔を突き上げる。髪を梳かせば、いまだにヒコバエみたいにしか頭髪が生えていない頭を振りかざすので、ブラシで頭皮マッサージ風にポンポンと頭をなでれば、完璧!という顔つきをして、お澄ましポーズを取る。目下のところ、一番お気に入りのカバンであるらしいauの紙袋に、ありとあらゆる細かいおもちゃを詰め込んでいるのだが、それを手にかけて(底は若干引きずりながら)、さあお出かけしましょ!と玄関で靴を履こうとする。すぐに出かけないと、必死の形相で大泣きする。思い通りにできないときもあるんだよということを、どうやって教えていけばいいのか、まあだんだんとたいへんになってきた。