_ 「おかあさんといっしょ」の歌の中に、もう何十年も前の歌謡曲ではないかなと思うのだが、「ホ!ホ!ホ!」という歌がある。最新のビデオブックにも入っている。子どもはこの歌が大好きである。この歌をYoutubeなどで探して聞かせると、狂喜して飛び跳ねる。そして「ママも一緒に!」などといって、わたしの手を取り、飛び跳ねる。この歌はわたしも好きだ。とても軽快なリズムで、覚えやすいフリつけと歌詞で、歌いながら踊るととても楽しい。基本的に、毎日むっつりと過ごしているので、ときどきこのように体を動かしてみると、血管が脈打ち、体が熱くなってきて、「わあ、生きているんだな!」と思ったりするほどだ。もちろん子どもと外出してブランコに乗ったりするし、毎日、いわゆる家事労働に従事しているから、機械的には動いている。しかし、能動的に喜怒哀楽を表すために体を動かすということはとんとないのである。そこで、この「ホ!ホ!ホ!」は、本当になんというのか、脱日常の体の動きということで、「生きている」感がたちまちあらゆる毛細血管にも廻るのかもしれない。かといって、別になにかカタルシスがあるというほどの激しい動きではもちろんないし、踊りの振付だって、踊り音痴のわたしでさえ、初見でまねっこできるほどの単純極まりないものである。なんにせよ、今のわたしにとっては、単調さをさわやかに乱してくれる変拍子のようなものだ。子どもはわたしがこれを踊って、けたけたと笑い転げると、うれしく思うようだ。こんなに小さいの親を心配させるようなことをさせてしまって申し訳ない。