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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

20-05-2016 / Friday [長年日記]

_ あと一週で今学期も終わり。長かった。長かった。教える技術というか、テクニックは少しずつ身についてきたような気もする。でも日本語ということばについての学術的知識とか、専門分野としてやってこられた先生ならばすぐにわかるような、ある文法事項や単語がよく使われる教科書の第何課で出てくるとかがパッといえるとか、そういうことはまだ全然できない。勉強が足りていない。とてもメジャーな文法事項、たとえば可能を表す表現だとか敬語とか受け身とか、そういうのはおぼろにわかるようになってきた。でもそこで絶対におしえなければならない文法事項はなにかと問われたら、やはりいまだに虎の巻とかそういうのを見ないとわからないのである。使役(~させる)と使役受け身(~させられる)では、ときどき間違った活用を教えているような気がして、未だ自信をもって教えているとはまったく言えない。そういうわけだから、先日、なんのかんのと理由をつけて止めてしまった英語学校の先生に対してもずっと同志的なシンパシーを感じてはいたんだけど、そこでとことん包容力をもって理解を示すことができないのが、わたしという人間の限界なのである。冷たい人なんだと思います、はい。

日本語を教えることは国語を教えるのとは全然別物であると、よくベテランの先生はおっしゃる。そのとおりだと思う。だのに、やっぱり自分が求めてしまうのは国語的に理解することであったりする。それはわたしの中では文学的に文章を理解するということに通じるのだけど、それもやっぱりむずかしいらしい。わたしは日本語を勉強する人の気持ちに寄り添うにはあまりにも冷たい人間なのだと思う。だから、心のどこかで、なんでこの文章の意味がわからないんだろう、どうしてわからないんだろう、と思うものの、その原因を突き詰めて考える努力が足りていないとも思う。だから、できる人にとってはネタの豊富な研究者みたいな先生であるかもしれないのだけど、できない学生にとっては、ずっとおいてけぼりにされているという気持ちが強いのではないかとも思う。もちろんわたしが勝手にそう思うだけで、学生の評価は違うのかもしれない。でもわたしが学生だったら、やっぱりこの先生、わかってない!って思うはずだ。だからで毎学期、かならず新しいシラバスを作って、前に失敗したことを繰り返さないようにと思ってやってきた。それがうまくいっているのかどうかはわからないけど、とにかく教え方を毎回毎回、反省しながら、上手になりたいと思っている。もっともっと精進して、学生のためのいい先生になれたらいいんだけど。たとえどこの国で教えることになったとしても、ずっと毎回、勉強を続けて、しっかりと学生のことを考えていけたらと思う。


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