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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

04-08-2005 / Thursday

_ 網戸のところに蝉が来た。『夜の蝉』を思い出す。これやこのゆくもかへるもわかれては、の人のことも思い出す。坊主めくり、したいなあ。長いこと、していない。

_ いろいろ。

いろいろあったので、頭を静める。

暑い中、自転車で外出してお弁当買って、久しぶりに河原で食べた。川縁はとても涼しくて好き。蛍が出るから下草等々を刈ってはいけないというおふれが出ている。夕方、帰りしなに少し寄り道して、柳の下に座った。ウルイみたいな草。黒いトンボ。蝉の声。

_ 査証申請に行ってきて、帰ってきたら某人と遭遇。玄関先で立ち話。ちょっとだけと思っていたら小一時間も話し込んでしまった。こんなことしている時間はにゃいのだけど、楽しかった。数ヶ月ぶりに逢った。髪の毛が伸びたね、と言おうとして、髪の毛が増えたね、と言ってしまった。一瞬、凍り付いたけど、その辺はツーカーの仲ということで、ごめんなさい!!!

_ あつい。

_ そういえば、映画の中で、電車くんがずっと来ていた「百式」というTシャツは、やっぱりなにか特別な意味があるのだろうか。それがわからなかったので、向こうの方で固まって座っていた男子諸君が笑っていた意味がわからなかった。

去年、友だちから教わって、初めて電車男のまとめサイトを見たときに、一番、おもしろかったのは、「もちつけ、おれ」というもの。語感といい、反射的に浮かぶ情景といい、実際、杵を持ってお餅を搗くのはかなりしんどかったものねという思い出とか入り交じって、冗談ではなく、1週間ほど、そればっかり脳内リピートしては、笑っていたことがあった。某人にそれを話したところ、その他の2ちゃんねる用語を教えてくれたのだが、「もちつけ」を凌駕するものはなかった。普段話していると、ふと、その用語が出てくることもあるらしく、○×さんというべきところを、○×たんと言われたことがあって、一瞬、えへ?と言ったところ、過剰に謝られたことがあった。ナントカたん、という言い方はかわいいと思うのだけど、いろいろ意味が含められているみたいなのですな。


04-08-2009 / Tuesday

_ 日々たいへん抑圧された環境の中で、それでも希望を失わずに前を向いて歩いて行こうと努力しているつもり。周りには誰も助けてくれる人はいない。正確にはいないわけではないのだが、それはいろいろな関係性の中でやむを得ずそうなっているということをわたしもよく承知している。だから甘えるということもない。いやだからこそ甘えたほうがよいのだろうか。そう煩悶する余裕がまだあるのはいいことといえるかもしれない。。

相変わらず、突発的に首をくくりたくなったり、開いている窓から飛び降りたくなったりはする。こういうご時勢にもかかわらず、大学の中には、飛び降りにうってつけの窓がいくつかある。今までここからだれも飛び降りなかったのが不思議という窓がいくつもある。そのかわりに、首をくくったのだろう。こういうときこそ、人と自分の距離もよくわかる。幸いなことにまだわたしには明日というものが確実に来るように思われる。そう思えるうちはまだ大丈夫だろう。


04-08-2022 / Thursday

_ 18歳から22歳、つまり高校から大学にかけてのある時期、狂ったように通い詰めていたレンタルCD屋があった。確か3つくらい支店があるような、地元では割とメジャーなレンタル屋だった。CDをカセットテープに録音するような時代のことだ。3枚1,000円で5日間、借りることができた。ときどきキャンペーンがあって、5枚1,000円というときもあった。午後10時に閉店するところ、アルバイト帰りの9時40分に駅に着く電車から駆け下りて、改札からつながっているしょぼいショッピンビルを駆け上がり、お店に向かってエスカレーターを疾走した。店に滑り込み、さっと次のCDを3枚選んで、さっと支払いを済ませて、なかよしの店員さん(高校の同級生)と二言三言会話して、自転車置き場が閉まる数分前に滑り出て、慌てて夜の道を帰宅するのだった。

その店にはアルバイト店員が3名いた。全員がバンドの人だった。新着CDには、彼らの手書きのPOPが飾られている。それを読みつつ、新しい音楽を次々と開拓していった。のちに、レンタル屋とは逆方向に向かってわたしの生活圏が広がるようになり、新しい音楽を発見するのは、より大きなCDショップへと移った。をを、CDショップ。WAVEとかVirgin Recordsとか。どれほど山ほどCDを買っただろうか。

ところでそのレンタルショップで、わたしに次々と新しい音楽の世界を教えてくれた店員さんの手書きPOPだが、あるときこう書かれていたものがあった。「われわれは、気でも触れたか!衝撃の!”#$%&」。実は、そのPOPがプッシュしていたバンドのことはまったくこれっぽっちも覚えていないのだが、そのPOPの表現が、あれから長々と歳月が流れた今でも目に焼き付いて離れないでいる。折りに触れ、「われわれは気が触れたか!」このような、今では放送コード的に不適切と言われかねない表現を、これまでのわたしの人生では、ただの一度も使うことはなかった(使いそうになったこと、あとから使っておけばよかったと思ったことは多々あるにせよ)が、いつか使う日が来るかもしれないと、ずっと忘れることができなかったのである。しかし、ついに堂々と使う日が来た。

6月の半ばごろだっただろうか。インターネットであるニュースを読んだあと、横に出ていたYouTubeを「見てみようか」と、何気なくではなく、自分の意志でクリックした。をを。これは、なんだ?!へえ~、へえ~、すごい!なんか、明るい!元気になる!すごい!すごい!かっこいい!語彙がこれほど貧弱だったとは思っても見なかったが、文字通り、バキュ~んと胸を撃ち抜かれた。言わずとしれたBTSであった。わあっ!いやっ!すごい!ひや~!という感じで、ただただ次々と動画を見続けた。同じ動画を何度も何度も見続けた。いや~、歌はうまいし、踊りはうまい!すごいダンスがかっこいい!なんて揃ってるんだ!そして、なんてみんな楽しそうなんだ!!

_ こんなおばさんは、今、世の中にそれはそれはたくさんいるそうだ。わたしだけではないらしい。最初は何人いるのかもよくわからず、どの顔もおなじに見えた。そのうち、一番大きい人と比較的小柄な人だけは、なんとなくわかるようになってきた。しかし別の動画を見るとまた識別できなくなった。何度も何度も見ているうちに、やっと全員の顔が違うということがわかるようになり、名前もなんとなくわかるようになってきた。そこまで、1週間ほどかかった。そして、動画を聞かなくてもなんとなく声の違いがわかるようになってきた。そこまで大体2週間。今は、細かいパーソナルデータは全然知らないけれど、名前と歌声がわかるようになった!すごい!

いわゆる推しはいない。全員がかわいらしい。全員が好きだ。おばさんにはこういう人も多いらしい。バラエティっぽい動画もたまに見るようになり、いつの間にか子どもとも一緒に見るようになった。気がつけば、KINDLEには彼らが特集された雑誌が入っていたりもする。おやおや、おやおや、である。そして、今やわたしはハングルまで勉強しているのである。本当に、わたしは気でも触れたかのように、毎日BTSのいる世界を生きている。小泉今日子もYOUも好きらしい。二人が話すポッドキャストを聞くと、いちいちわかるのである。わたしも!わたしもおんなじだよ!そう心の中で叫びつつ、日々を暮らしている。「連帯」という言葉がキーワードとなって、BTSとファンの結びつきを理解するような本もあるのである。イギリスにはBTS学会もあるらしい。わあ~、なんだこれは!BTSがいる世界にわたしも生きている。いや~、なんかもうすごいことである。

_ かれらのデビューからの音楽を毎日、少しずつ、聞くようになった。そうすると、だんだんと、なぜ彼らが少し休んで自分がしたい音楽をソロっとしたいと思うようになったかがわかってきた。グラミー賞にノミネートされた楽曲はもちろん素晴らしい。とても明るく元気で、踊ろうなどと人生で思ったことが一度もないようなわたしでさえ踊りたくなったくらいである。だけど、最初から彼らの軌跡を聞いていくと、わかる、わかる(わかっていないかもしれないんだけど)と思うようになってきた。恐るべしである。時代を一気に駆け抜けて、わたしもやっと今、ARMYたちに追いついたような気持ちになっている。恐るべし、である。

_ 付随的に、他のKPOPもたくさん聞くようになった。いや、すごい!かっこいい!なんとか系とかはわからないけれど、とにかくすごい!レコード会社の友人に言わせると、「全員西洋音楽カブレだよ」らしいが、いや、そうだとしても、この音楽はもうKPOPとかそういう分類を超えているんじゃないか。そんなふうに思うほどだ。わたしにとっては、小学生時代にピアノ教室でビートルズのHey,Judeを聞いたこと、フリッパーズ・ギターを初めて聞いたときのこと、それ以来の新しい音楽の扉を開けた瞬間だった。DynamiteやButterだけじゃなかったのである。最初からひとつずつ聞いていくと、本当に今ココのYet to comeが、もう必然的な存在にしか思えなくなるのである。そしてこんなことを考えているのは、世界中にわたしひとりではなく、たくさん、たくさんいるのである。いや~、なんか知らんがすごい!

_ というわけで、久しぶりに音楽を聴いたような気持ちにすらなってしまっている。彼らを知るまでだって、毎日Spotifyを聴いていたのに!

新しい日々を過ごしているような気持ちになっている。本当に、No music, No lifeな日々を過ごしている。ビバ!VIVA LAVA LIVA!

_ と、暑い日々をさらにもっと熱く過ごしているのでした。

おわり。


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