_ 中国では独身の日なんだとか。海のずっと向こうでは、恐るべき人物が国家の頂点に立つという事態になり、ハーバード・ロースクールの学長が涙ながらに学生たちに語りかけたという。そのニュースを読みながら、ちゃんとしっかりとしている人もまだまだいるのだと、ほっとしたり。そういう激動の11月に、わたしも転職が決まった。来年2月から、愛する某国を後にして、某内陸国へ引っ越すことになった。日本の大学の海外事務所の担当ということで、今のところに来るまで続けていた研究プラス日本語教育を合わせて行うというのが任務である。あと2か月でここを去るのかと思うと、今日までの怒涛のような日々が嘘のように感じられる。某内陸国には一度も足を踏み入れたことはない。しかしその両隣の国には行ったことがある。全然イメージがつかない国なのだけど、先輩や後輩が何人も出たり入ったり住んでいたりする土地である。だから思い切って、ここで一度仕切り直しをと思っている。
心配なのは、子どものことだけ。せっかく踊りを楽しく勉強しているところで、申し訳ない。
今の大学に未練はないかというとウソになる。その未練とは、今の一回生と二回生が成長していく姿を見られないこと。もうひとつは、やっと自分の教え方に自信を持てるようになってきたところで、一旦、初級学習者への指導から離れてしまうことになること。
学生たちのことに関しては、手塩にかけて育てたというような感慨がある。もっと日本語が上手になって、どんなふうに勉強を続けていくか、いろいろな話ができればいいなあと思っていたのにここで終わるというのが、本当にさみしい。でもまたいつかどこかで会うだろう。その日を楽しみにして、わたしも新しい場所でがんばりたい。