_ 某日。宝塚観劇。花組公演「麗しのサブリナ」が目当てだったのだが、予想外にスパークリングショー「Exciter!!」がたいへん素晴らしかった。たいへん感激。これが宝塚のすごいところで、はまっちゃうんだろうな〜と実感する。とにかくものすごく煌びやかな上、楽曲がしっとりとしつつ、メインテーマは一度聞いたらその日一日中歌ってしまうほど耳に強いインパクトを残すもの。もう一回、観に行きたいくらい。「Exciter!!」は一年前も花組のベルばら外伝公演の際に初演されたものだとかで、そのときも評判がよく、一年も経たないうちに同じ組が再演するという異例ずくめの上演だったそう。いや、これは観てよかったです。ほんとにかっこよかったというか、ステキでした。でもB席だったから当然、乙女のみなさんの個体識別はできませんでした。
_ 某日。査証申請。この某国在外公館には、たいへん有名な個性の強すぎるご婦人が長らく日本人窓口に君臨されていた。数年前、めでたく定年退官され、比較的若い女性が後任となった。この女性は、今にして思えば、そのご婦人の後任だったから素晴らしい人材に思えた節もあったのかもしれない。しかし、気分で八つ当たりをすることもないし、プロフェッショナルな仕事ぶりでもあったから、まったく問題はなかった。子どもが生まれたときも、懇切丁寧に、某国国籍留保書類についてご教示をいただいたりもした。本日、某国在外公館へ行き、書類を提出したところ、いきなり怒号を浴びせかけられた。まさに怒号。なんと窓口の女性が新しい人になっている。「わたしがそろえなおさなければならないような書類の提出の仕方はしないでください」(では窓口にそう書きなはれ!彼女の思うような揃え方について書いといて欲しい)「招聘状・推薦状は人数分提出してください。お子さんの名前が言及されていません」(ちゃんと読んでください、わたしの名前のと並記してありまっせ。家族の人数分書類がいるなんて、どこにも書いてないし!)、「ほんとうにあなたのお子さんかはこちらでは確かめようがありません」(戸籍抄本・謄本を提出せよという文言の記載された書類を持ってこられたけれど、それは一般には配布していない書類だ)。。というやりとりがあり、わたしは久方ぶりに、売られたけんかを買うような感じで、いちいちきちんと反論してしまった。もう少し、言い方というものがあろうに。某国語もできないような人がどういう縁で窓口に立つようになったのかは知らないけれど、こういうひどい人は、最近の某国でももうあまり見かけなくなっている。
むしゃくしゃの気分のまま、保育所関係の書類を出しに役場へ。
_ 夕方、一休さんを保育園に迎えに行くと、先生がその日の出来事を話してくれた。
もうすっかりお座りができるようになった一休さんは、プレイマットの上で他の赤ちゃんたちと一緒に座っていたそうな。と、先生が気がついたときには、一休さんは周りの赤ちゃんたちの髪の毛を、次々と手で引っ張り始めていたという。先生はそのことで、一休さんを叱るようになどとは言わなかったのだけど、わたしは少しショックを受けてしまった。今の一休さんはなんでも自分の手で確認したい時期のようで、わたしの顔のパーツはもとより、一緒に横になっていると髪の毛が気になるし、耳にも触りたいし、今までは母乳を飲むのに一心不乱で注意してみることもなかった胸のあたりなども手で押したり引っ張ったり齧ってみたりと、好奇心を抑えられないようになっている。その調子でよその赤ちゃんたちにも接しているということ。昨日は二回も便が出たことも含めて、先生はそのことを保育園で過ごすことの緊張が次第に解けてきているからだと説明された。でも人のいやがることはしてはいけないわけで、これからはきちんと一休さんに説明していかないといけない。話を大きくするつもりはないけれど、自分の子がいじめられっ子になる可能性はこれから先あるだろうとは思っていたけれど(肌の色を含めた外見の問題や文化や宗教の点で)、いじめっ子になる可能性はトンと考えたこともなかったのである。まだ一休さんがいじめっ子になったわけではないから心配しすぎなのだけど、自分がされていやなことは絶対に人にもしてはいけないよと、小さなときからきちんと教え含めていかないといけない現実に直面したように思っている。昨日までは、予想外の子どもが生まれてうれしいことよ、という平和な空気にとっぷりと浸かっていただけで、子育ての現実的でもっと日常的な側面について、あまり考えていなかったのかもしれなかった。わたしの忙しさにかまけて、一休さんを大人たちの間だけで過ごさせることが多かったけれど、もっと同年代の子どもたちと触れ合うような機会を作ってあげないといけないなと思った。
_ 朝から大学病院へ。紹介状があったので、ほとんど待ち時間なしの予約時間びったしに診察室へ呼ばれる。事前に書いていた問診票と紹介状の内容についての確認があり、両耳の内診。聴力に関しては検査の予約を取ってからとのこと。予約を取る部屋へ向かう。と、予約できる日は来週で、検査結果に関する担当医からの説明は9月末日なのだとか。一旦、検査予約表を持って診察室へ向かい、今度は看護師さんから説明を受ける。曰く、乳児なので脳波を測定して聴力があるかどうかを検査するため、睡眠剤を飲ませるという。人によっては、乳児にそのような薬品を飲ませることを躊躇することもあるとかで、この検査を受けないことにする人もいること、睡眠剤は乳児に投薬しても副作用が少ないことは確認できているが、まったくないわけではないことを聞く。
一休さんは、確かに、中耳炎になってから、もしかして耳がよく聞こえないのかなと思われるようになったのだけど、それ以前にはなんの兆候もなかった。昨日の大学病院での診察でも、両耳の状態はまだよくないということがわかっている。まずは中耳炎が完全に治癒するのを待ってから、難聴かなと思われる兆候がまだあれば、そのときに睡眠剤を飲まなければならない検査を受ければよいかと考えた。もう少し情報収集してからその検査を本当に受けるかどうかを決めようと思っている。
_ 病院の後、近所の高校時代の友人とお昼を一緒に。小さい娘さんも一緒。3歳のお嬢さんはおしゃまさんで、とてもかわいかった。一休さんのことをあかちゃん、あかちゃんと呼びかけてくれて、一休さんもまんざらではないような顔つきで、愛嬌を振りまく。が、ひとたび友人が一休さんを抱き上げようとすると、雷鳴のような声で鳴き叫ぶので困った。食後、間違って、ゲーム機械がある場所を通過。おしゃまさんはどうしても人形をつかむゲームをしたいというので、一回だけという約束で挑戦したところ、あっけなくゲームは終了。今度はおしゃまさんが泣く。「もう一回だけ、もう一回だけ〜」「あかん、あかん、ここは人を破産させるところやで」「もう一回だけ、もう一回だけ〜」「おかあちゃんはもう帰るよ、一人でここに残りなさいね」「え〜なんで〜、親子やんか〜」。最後のセリフを聞いて、大爆笑してしまった。3歳くらいになれば、一休さんもこんなふうに直立二足歩行ができて、「親子やんか〜」などというのだね。。
帰宅後、一休さんはどういうわけかたいへんご機嫌さんで、なかなか昼寝をしてくれなかった。わたしのほうが疲れて、先に寝てしまい、起きたら一休さんがひとりでもくもくと新聞の広告を破いて食べていました。そんなところに広告を放置していたわたしが悪いのですが、一休さんはたいへん満足そうに(きっとおなかいっぱいにたべたんだろうな〜)きゃっきゃとしていました。
_ 終戦記念日。
児童文学と戦争あるいは終戦というと、「だれも知らない小さな国」だ。佐藤さとるのコロボックル物語のシリーズは、小学生だったわたしにとっては、文字通りのバイブルで、なにもかもここから学んだといってもよいくらいだった。戦争が終わって日本は復興期を経て、高度経済成長時代に向かう。コロボックル山もその計画に巻き込まれ、高速道路建設のため、山の中腹を削ってトンネルが掘られようとする。そこでコロボックルたちは「せいたか童子」であるせいたかさんに協力を求める。せいたかさんは、コロボックルたちの力を使うアイディアを出す。山の所有者や村の偉い人たちの夢の中に登場して、夢をコントロールして、計画を変更しなければと思わせるのである。ご先祖さまやいろいろな「山のカミ」の口吻で、脅しをかけるのである。
流行り?の公開中の映画のあらすじを目にするたびに、コロボックルたちの作戦のことを思い出す。この作戦のことを思い出すたびに、終戦後の日本の急成長や開発のことも思い出し、今、あのコロボックル山はどうなっているのかなと思うのである。こびとさんが大好きで大好きで、一人でいるときに、今、さっと後ろを振り返ったら、逃げ遅れたふとっちょのエノキノヒコが見えるかなと思って大きくなった。床下の小人さんも世の中に出てきた今、佐藤さとるのコロボックル物語も再度、脚光を浴びて欲しいと思ったり思わなかったりする。
_ 父方のお墓参りへ。わりと大きなお寺なので、人が山ほど。小さな子どももたくさん来ていた。帰り、人気のないビジネス街でお昼ごはん。わりとおいしい懐かしい味のオムライスを食べた。タイガース百貨店の食料品売り場にも立ち寄る。安いな〜。天然もののハマチのおおきなおおきなサクが600円。その他いろいろついつい買ってしまって帰宅。ハマチは半分をお造りにして、半分を昆布締めにした。キュウリの簡単甘酢サラダも作って、おいしい一日を過ごしました。
_ 名前を呼べども呼べども、まったく聞こえていないような様子のときがあるので、耳鼻科の診察の際に相談したら、中耳炎ごときで耳にそんな障害が出るはずはないけれど、心配だったら大学病院を紹介すると、怒ったように言われる。ちょっと相談しただけだったのに、思いがけず、悪い評判の方の大学病院への紹介状渡され、有無を言わさず曜日も指定されてしまった。こちらの聞き方がわるかったのか、虫の居所が悪かったのかわからないけれど、少々、困惑してしまった。でもそれで不安が取り除けるのであれば、それでよいか。。
_ 韓流ドラマ大会、順調に進行中。いや〜、おもしろいです。龍馬伝みたいに凝った映像美ではないし、登場人物のほとんどがひじょうに類型的な人物造形で、期待を裏切られるようなところはほとんど皆無なのですが、お話がひじょうによく出来ています。そしてなによりも主人公の役の俳優さんが、たいへん好人物。魅力的というのとは少し違うのだけど、とにかく好感度抜群で、なんとしてでも内医院(李氏朝鮮の宮廷医局)のお医者さんにしてあげたいとおもってしまうわけです。この主人公も、そして一方的にかれをライバル視する民間医院の御曹司の若林豪に似た容貌のお坊ちゃんも、たいへんなお母さん思い(マザコンというのが正しいか)である。母とのやり取りなども合わせて、興味深いドラマ。
_ 某申請の推薦文をお願いしていた御大からのコメントが、ほんとにほんとにごもっともなことばかりで、落ち込んでしまったけれど、がんばって書き直して元気を出した。