_ 過労だと思っていたら、本当の病気だった。都合10日間、大学を休み、えらい騒ぎとなっていたのだった。最初に目に異常が出たこともあって、この目が最後の最後まで治らなかった。蚊が媒介する感染症だったのだが、発熱もなし、白血球の数値も正常というなんともノーマルな状態でありながら、ひたすら全身の筋肉と関節が痛むのが特徴とのこと。だから、寝ていても退屈なんだけど、じっと仰向けで寝ていると、たちまち体中の筋肉が痛むから寝返りを打たなければならない。ところがその寝返りを打つことの痛いことといったら!さらに、横向きになっても10分もたない。。。だから休んでいるといってもあまり休んだ気にならなかったのであった。そんなへんな病気。また病気自慢のリストがひとつ長くなった。
_ 端的にいうと過労なのだろう。といっても発端は子どもの保育園。保育園で結膜炎みたいなものが流行りだした。順当に我が子も感染。兆候がでましたというショートメッセージをもらったので、仕事帰りに薬局で抗生物質入の目薬を購入。子供の目は真っ赤に充血していた。すぐに薬を点眼。手足を薬用石鹸でよく洗い、水分を多く取らせた。水分とどんな関係があるかはしらないけれど。翌日は、わたしは弁論大会の練習があったのでやすめず、子どもは保育園。こちらの保育園では、水疱瘡とかはしかとかでなければ、病気の子どもも預かってくれるし、薬も飲ませてくれる。夕方、帰宅した子どもの目は、ぐっとマシになっていた。と、さらに翌日。わたしの目が開かなくなっていた。とはいえ、今日は弁論大会本番、休まれへんがな…と大学へ。まあいろいろな悪条件が重なった結果だと思うのだが、翌日は完全に両目が塞がってしまった。しかも食欲もない。体中の関節が痛む。完全に何かの感染症にかかっているようだ。でも発熱はない。よほど強い結膜炎系の感染症だったのだろうか。熱もないし、肝臓がやられたときのひどい倦怠感もなかった。顔色も黄色くない。発疹もない。後頭部が若干痛むのが気になるが、もう諦めて終日、安静。その翌日も症状は変わらず。初めて自分の体調不良で授業を休む。都合3日間、ほとんど食事をしなかったため、ざっと4キロも痩せた。今はその影響もあるのか、疲労感のほうが大きい。だるいのとは違うので、やはり総合的に考えて、疲労蓄積のところに感染症が入ってきて、一気に炸裂したと結論づけた。いや、でもこんなことをしたり顔でかくよりも、一度、本格的な健康診断を受けたほうがよい時期だ。子どもが成人するまでは元気でいないと。
_ 当然、連休というのはないわけで、ずっと普通の日常だった。最近はできるだけ、こちらにあるもので、なんでも料理をするようにしている。当地のお料理も、ざっと香辛料や手順を聞いて、あとは舌の記憶やらを最大限駆使して、作っている。最近、一番美味しく出来たのは、川魚で作るカレースープ。ナマズに似たサカナで、適度に脂が乗っていて、蒸し料理やスープ仕立ての料理が有名。とても美味しいというだけではなく、とても安い。天ぷらふうに揚げるのも美味しいが、わたしは蒸し料理が好きだ。しかし、蒸すためにはとても大量の香草や香辛料がいる。香辛料はなんとかなっても、香草類は市場に出かけて揃えなければならないということもあって、家ではスープをよく作る。カレーを作るときのスパイスを全部3分の一くらいの量にして、すっきりと作るとおいしい。5月の初頭、そのつもりで魚コーナーに行くと、ものすごく新鮮で大きなサワラが入っていた。それで予定を変更して、一匹購入。内臓だけ出してもらって、丸のまま持って帰った。いえで2枚に下ろして多めに塩を振って、ほんの少しだけ天日干し。それから焼いた。この魚のおいしかったこと。また内臓に卵があったのを、持って帰ってきたのだが、これも塩をもっと多めに振って、たらこ風にしてみた。おいしい!魚はやっぱりおいしいなあと、仕事のしんどいこともしばし忘れて元気に5月を迎えたのであった。
_ 時間が全然足りなくて、てんてこ舞い。気が付いたらおコメも保存容器の底が見えてきていて、洗剤もなにもかも切らしていた。二日に一度は買い物に行くのだけど、その日その日の食材や子どもが保育園に持っていくパック牛乳を買うくらいで、お茶もトイレットペーパーももうストックがなくなっていた。中間試験が終わったばかりで少しだけ余裕があったので、慌てて市場へ買い出しへ。おコメはお米屋台で一番高いものにモチゴメを混ぜて買った。お米は1キロ100円、モチゴメは1キロ130円。重い。ここに玄米を1キロ足して、よく混ぜて食べている。気分や料理によっては、赤米と黒米のミックス米とオリジナルミックス米を1:1で炊くこともある。しかしそれでも全体的に赤飯色にお米が染まる。よく噛んで食べるとおいしいような気がする。当地のお米は、収穫後の乾燥作業に問題があって、収量の3割程度が胴割する。つまり乾燥しすぎているということ。市場での管理環境も決してよいとは言えない状況。だから高いお米を買ったとしても、本当は違いなどわからないのだが。。それでも明らかに黄変した古古米みたいなものに比べたら、おいしいのは確かである。
市場の魚コーナーは基本的に淡水魚ばかり。市場の前の道路の、対向車線側に、トラックの荷台に新鮮な海の魚を直販している魚屋さんがいる。大学へ行くときは、いつもこの対向車線側を直進しているので、買おうと思えばいつでも買えるのだけど、大学に魚をもっていくというのが気鬱なわけである。それで買ったことがなかった。今日は、出かける前から楽しみに行ったのに、ついつい久しぶりの市場が楽しくて、あれこれ余計なものを買ったりなんかしたので、家に帰ってきてみれば、洗剤はおろか魚も買い物かごには入っていなかったのであった。買った余計なもの:テラコッタ素焼きのままごと道具セット、子どものレギンスパンツ2本、子どものお手伝いエプロン1枚、マッシュルームとヒラタケそれぞれ250グラムずつ(帰宅後、下処理をしてから天日乾燥へ)、ライム半キロ、髪の毛の栄養剤。バイクに乗っていたら、あれ、そういえば今日のおかずがないもない…ということで、近場のスーパーで鶏ひき肉とサバ2本を買ったのだった。一体何しに行ってんねんな~、でした。洗剤一式を忘れて帰ってきたので、この週末は掃き掃除だけという大義名分ができたのはよいことだ!
家で魚を捌く前に包丁を研いだからか、切れ味が良くなりすぎて、また指をさくっときってしまったりもした。うまくいかないときはいかないものですな。おしまい。
_ 子どもとはよく嘘を付き合って遊ぶ。嘘というのか、作り話というのか。河合隼雄先生のお好きな種類の嘘話である。
わたしたちの住んでいる家には、昔から、押入れ仮面、鬼子母神、パイドパイパー、カラス天狗が住んでいることになっている。アパート全体の生活用水は、井戸からモーターポンプで汲み上げたものが、各戸へ供給される。そのタンクが、わたしたちの部屋の真上にあるとのことで、結構、不気味な音が聞こえてくる。その音が日によって、また同時に使う世帯の数によって、さまざまなバリエーションで聞こえてくる。それぞれの魔物たちの個別の音として、子どもは認識している。いつも魔物たちの話をしながらいろいろな絵本を読んだり、互いに勝手に作り話をしながら眠りにつく。
それ以外の、保身のための嘘やら本当の嘘については、一応、ダメということにしてある。子どもの通学路にある巨木の枝で、子どもは何度もトトロを見たという。わたしもリスがいたと話したりしている(どちらもいないと思うのだが)。楽しい話だけではなくて、いろいろな怖い物語もしている。耳なし芳一とか。子どもはなんの先入観もないから、カエルだって平気で触るし、クモの巣にもがっと手を突っ込む。子ども自身の考え方で、苦手なものや嫌いなものが区別されるように、わたしもできるだけカエルを嫌いだということはおくびにも出さないようにしているし、動物園の爬虫類コーナーでヘビに触ったりもするようにしている。
子どもにはできるだけ大きくなるまで、自由な精神を保つようにさせたいと思っている。自分でいろいろ判断する心を、大事にさせたいと思っている。