_ 某内陸国に来て、早1ヶ月半。ビザの関係ですでに2回も、隣国へ出国した。そういうのもあって、ずっとまだ地に足がついていないような感じだったのだけど、やっと長期滞在ビザ取得の目処も立って、落ち着いてきた。新しい国に来て早々に、不動産詐欺?というのか、まるで睡眠薬詐欺みたいな、あれよあれよという間にええ~っ!なんだこれは~!という目に遭った。このワタクシが?!という感じである。しかし、きっとそういう油断を衝かれたということなのだろう。わたしとしては、自力で解決できるはずの小さな問題だったのだけど、善意ある他人(だったのか、一味だったのか、もはや不明)が入れ替わり立ち代わり登場し、気がつけば大枚を巻き上げられていたという始末。この出来事が到着後一週間以内に起きたということもあって、ビギナーズバッドラックだったと今はもう落ち着きました。。こういうことって、あるんだな~。
今のアパートは、そういうこともあって、鉄壁な安全さを保つところを選んだ。一階に銀行があるというアパートで、だからかえって危ないんじゃないかという話もありますが、とにもかくにも24時間体制で誰かが見張っていて、知らない人には極めて入りにくいエントランスのあるところである。前のアパートのような、24時間窓を開けっ放しにしていてもオッケーなところと同様、安全性はとても高い。前と違って今度は掃除も洗濯もアパートのメイドさんがしてくれる。これも良し悪しなのだけど、なんとか今のところはうまく行っている。ような気がする。
それ以外の生活では、子どもも楽しげに新しい環境に順応している。ように見える。今のところは。わたしも子どもも、なんでも適当にやっていけるので、ずっと某国の延長線上のような生活を送っている。夫は仕事もあるし、どうせ一年間だけだということもあって、同行せず。
それにしても、新しい国は、とにもかくにも物価が高い。本当に高い。だって、大学の学食でさえ、某国の2倍もするのである。某国だったら、ヘタしたら、100円以下でもたらふく食べられるというのに、こちらでは飲み物も買えない。わたしはなんとかの一つ覚えみたいにお昼はずっとおなじものを食べている。学食で食べないときは、家から持ってきたお弁当である。最初、こちらの物価についての説明を受けたとき、「基準値である卵の市場価格を見て見ると・・・」ということばがあった。はあ、卵が基準値?と思わず、ほんとかな~と大いに疑ったのであるが、実際に卵はものすごく高く、市場経済のひとつの指標になっていることもわかった。日本とほとんど同じかそれ以上に高い。10個入りパックが250円である!なんて高いんだ!と、卵はほんの一例で、それ以外のものもうそのように高い。高すぎて、みんな自分の国ではなくて、もっと安くで買える隣国へ行くぐらいなのである。一体全体、どうなっているんだ!と、買い物をするたびに思う。
新しい友だち、凸凹大学時代からの先輩後輩知人たちも少なからぬ人数がいて、みんなに助けてもらいながら、なんとかやっています。アパートのWi-Fiがもう少し早ければなあ・・・ということが不満なくらいで、今のところはなんとかがんばっている。昨日は映画館で「美女と野獣」の実写版を見てきた。なにがおかしいって、映画鑑賞料二人分の値段が、ポップコーンMサイズ一箱と同じ値段だということ。。これに飲み物を二人分つけた日には、2千円を超えてしまうのです。なんて高いんだ~。それで映画は、アニメーション版にとても忠実に作ってあって、よかったと思います。音楽も同じだし。ガストンの意地悪さというか、そういうところもマイルドで、別に上映中止するほどの何かを示唆するような意図も感じられなかったし、いい映画だと思った。でももう少し、ベルのちょっと他の人とは違っているんだよというところを押し出してもよかったような気がする。という映画を見て、夜道を歩いて帰りながら、ああ、ここでの生活にやっと慣れてきたんだなと思った月曜日の朝でした。
_ 日本に帰ってきた。昨日から新任研修。いろいろと新しい話を聞く。寒さの余り、ほとんど何にも考えられない。子どもは日本の小学校に通学中。いろいろと悩ましいこともあるけれど、とにかく匍匐前進あるのみ。
_ 子どもの誕生日の前日が新学期の始まりで、もちろん登校。ところが翌日はなんだか知らないんだけど、学校は休みで、そのかわり子どもたちと保護者だけで遊びに行くんだという連絡。最初に連絡をもらった時点では保護者会と書いてあったから、おお、そんなに急に行けないよと欠席を伝えたら、なんとフットサルをしにいくだけなのだとか。だけど、その当日が子どもの誕生日だったので、ええー、じゃあ小学校でお誕生会ができないから学童保育でやってもらわねばということで、急遽アレンジ。どうしてもお誕生会をしてやらなければならないというわけではなかったのだが、いろいろあれこれ考えすぎて、そういうことになった。最後のピクニックに一緒に行くというのもありだったんだけど、子どもはサッカーなんてしたくないというので、子どもは朝から学童保育へ行った。
_ ケーキは、近所の友だちのお母さんおすすめのお店へ。バイクで30分もかかる場所にある高級住宅コンプレックスにあった。ガレージを改造したお店。安い!それにおいしい!日本人がきたというので、「家を買いに来たんでしょ?」とチラシをもらう。なんでもここに住んでいる日本人が引っ越すので家を売るらしく、すでに何人かが内見に来ているとか。それでこのケーキ屋さんがそれを仲介しているのである。いいえ、違うんですよとかなんとか話しているうちに、その家の売り手が古い知り合いであることがわかった。それでまたおしゃべりに花が咲き、気がついたらわたしが自分で買った分とおなじくらいたくさんおみやげをいただくこととなった。ケーキは本当にどれもおいしく、またツナを使ったパイとブルーベリーが上にのっかったニューヨークスタイルのチーズケーキがこれまた実にさわやかな味で、下のビスケットの生地のところの塩味と真ん中のチーズのところの酸味と甘味、上のブルーベリーのさわやかさが絶妙だった。こんなにおいしいケーキがふつうのモールなんかでいばりくさっている世界展開中のカフェだとかそういうところの半分以下の値段で食べられるのである。もっと早くから行動していたらな~なんておもったのであった。
_ そのケーキを持って一旦帰宅、すぐに子どもの学童保育へ行って、お誕生会のアレンジをお願いする。わたしは翌日、日本人の仲良しだけで、子どもの誕生日と送別会をするので別途準備へ。あとから子どもの楽しそうでもあり恥ずかしそうでもある微妙な顔でケーキを切ったり、みんなと踊ったりしているお誕生会の写真と動画が送られてきた。こういうことも別に頼まなくてもなんでもしてくれるのが、いいところだ。
_ 翌日は、広々とした芝生の庭があるイタリアンのお店で誕生パーティー。いろいろな人が来てくれて、子どももたくさん遊んで、楽しかった。もっとこういう時間がたくさんあったらよかったのになあ…なんて話をしていら、「ブラック企業に勤めていると、そういう心の余裕がなくなって、周りがなにをいっても仕事を辞めようなんて絶対思わないんだって。あなたもそうだったのよ」と言われた。ひじょうに深く納得。そうなのだ、わたしが勤めていたのは国立大学なんだけど、そんじょそこらのブラック企業に負けないくらいのすごいところだったのだと、今ならわかる。
ずっと、給料が少ないのは自分の経験が浅いから、もっとがんばれば待遇改善につながると思っていたのはなぜだったのか。もうよくわからない。でもそういう企業に勤めていたから冷静に客観的になることができなかったというのは本当に当たっていると思った。学生は悪くないのである。国のシステムとか、公務員の意識とか、研究者としての気概とか、そういうのが全然日本と違うということに気がついているのに、どこか自分が頑張れば改善するはずと思いすぎていたのだ。まあでももうよいのである。
_ とにかくそういうわけで、今、死にそうになって荷造りをしています。13日の金曜日なんて吹っ飛ばす勢いで片付けています。
_ 明日で子どもが七歳になる。早いもんだ、早いもんだな~。お正月は子どもと一緒にホテルのプール。引っ越しの都合もあって、今回は2泊3日だけだった。真ん中の一日は朝からプール。朝食をたっぷりとゆっくりと取ったあと、歩いて近くの市場までいって、昼食やらおやつやらを仕入れ。また散歩しながらホテルへ戻って、9時頃からプールへ。それから延々と午後5時頃まで泳いでは甲羅干し、泳いでは甲羅干し。子どもは小学1年生で、スイミングクラブに通っていない子どもとしては、水を恐れずに、ガンガンと潜ったり泳いだりする方だと思う。わたしも子どもも日焼け止めを塗ってはいたものの、もう真っ黒に日焼けしたのだった。夜はいつも食べに行くカフェレストランへ。わたしはまたいつものファラフェルピタサンド。ここのはとってもおいしい。ということを子どもももう知っているので半分、子どもに奪われた。子どもは子供用パスタ。おいしいらしいのだけど、量が足りないのだとか。というわけで、わたしはその辺に出ている屋台のごはんを包んでもらってまたホテルで第二の夕食を食べたというわけである。それにしてもこういうってとっても珍しいと思う。某国だと、新築の家やホテルでも、大概、どこかしらどうしようもなくなっている部分が絶対にある。お風呂の水回りだったり、天井板の継ぎ目だとか、玄関の庇だとかそういう部分。新築なのになぜかもう経年劣化したような年季の入ったどうにもならない箇所があるのだけど、このホテルはまったくのゼロ。プールもものすごく手入れされている。それにホテルの従業員がお客さん用のエレベーターを使わないというところがすごい!普通はみんな使う。客よりも先に乗って、ドアも抑えたりしないというのが普通なのである。それにいつも廊下とかでまめまめしく働いている。本当のオーナーは西洋人で、現地マネージャーはチャイニーズという話だから、従業員の教育がよくできているのだろうか。とにかく珍しいくらいホテル滞在時のストレスがないホテルなのである。矛盾しているようだけど、普通のこちらのホテルは、滞在すればするほどストレスが溜まる仕組みになっているので、数少ない貴重なホテルである。欲を言えば、部屋でNHKが見られたらいいんだけどなあ。。。
というわけでしばしゆっくりと羽を伸ばしてきました。
_ あけましておめでとうございます。
今年はできるだけ毎日、この日記を書いて、少しでもよい方向へ自分の生活を進めていくひとつの日課となればと思っています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
_ 去年一年間は、とにかくハードな毎日で、心身ともにボロボロだった。体幹トレーニングも途中でいつのまにかやらなくなってしまい、今は史上最悪のコンディションです。でもこれもまた今日からなんとか復活させて、がんばっていきたいところです。新しい環境を楽しむ余裕を身につけるためにも、これからしばらくはリラックスしつつ荷造りをして過ごす予定。
一昨年、舞台で微動だにせず、むうっとした顔と態度で舞台中央部に仁王立ちしていた子どもは、その後、わたしが無理やり放り込んだ伝統舞踊クラスが思いの外、楽しかったようで、わりと頻繁に発表会で踊るようになった。それに、AKB的にいうと、時にはセンターポジションに立つこともあり、本人はあまり得意そうにはしないものの、それなりに踊る喜びに目覚めているようでもある。親としてはひたすら胸をなでおろしている。
でもわたしの不徳の致すところで、子どもは未だにひらがなとカタカナが書けない。それに漢字など、ひとつも知らないまま、今日まで来ている。なんとかこの引越までの期間で、ちょっと「特別指導」をしなければと思っている。
_ ところで、去年、わたしが夢中になっていたものは、「有川浩」の本と「星野源」(笑)。
前者は、たまたま日本から来た学生さんに『図書館戦争』シリーズをもらって、はまってしまった。それが一昨年のことで、それからとにかくいろいろとお客さんにお願いしたりして、ほとんど全部、読んでしまった。日本語的にどうなのかというところがやっぱり気になるところもあるのだけど、鬱屈した頭を軽くするには本当にちょうど良かった。
「星野源」については、話題のドラマはほとんどみていないのであるが、こちらのNHKの歌謡コンサートみたいなので初めて見たときに、「なんと楽しそうに歌う人だろう!」と感心したのが最初である。「こんにちはー!星野源です!」と言って歌い始め、「ありがとうございましたー!」といって歌い終わる感じが、ものすごくさわやかで古風で、いっぺんで気に入ったのである。その次に見たのが、うそ太郎に扮したテレビ。これもなんだかイライラするホクロといい、おもしろいんだかそうでないんだかギリギリのところをギリギリ感じよく、面白くしているところに感心した。で、昨日の紅白も楽しみにしていたんだけど、良くも悪くもマイペースな感じで、とてもよかった。
_ 年末は、この期に及んで携帯SIMを4G対応にアップグレードしたり、もうこの地を去るというのに、今更ながらにIT環境を整備したりなんかして過ごしたのでした!新しい環境では、かしこい電話をちゃんと駆使して、意固地な生活ではなく、さわやかなグローバル人(笑)として過ごそうと思っていたりするのですよ、なんと。引っ越しは第四金曜日。スムーズに次のステージへ上がれればと思っている。