_ 帰国してから、毎朝と夜、かならず夫から電話。日本への通話料金が安くなるかけ方があり、15分話しても、約100円。今の為替レートだと、80円くらいじゃなかろうか。どういう仕組みなのかはわからないが、混線することもなく、聞き取りにくいこともなく、すぐ隣の部屋で話しているような錯覚すら覚える。だからなのか、現実にここにいないことがいっそう歯がゆく感じられるようでもある。早く帰らねば。
_ 夜は送別会。久しぶりに楽しかった。送られる人とはもう15年来の付き合い。長かったようなあっというまであったような。楽しかった夜。で、なぜか酔っ払ってしまい、かかってきた夫になった人からの電話に上機嫌で出る羽目となり、無理やり数名に夫と話をさせるなどしてしまう。夫は今朝、未明に電話をかけてきて、「きみが心配だ。早く帰りたまえ」と言ってきた。心配かけないようにきちんとしなければ。
なんかいろいろ。
_ バスや電車を乗り継いで、一旦実家。母に挨拶して、着替えて大学。秘書さんやらに挨拶をなど。ぬくい。春ではないか。ええ日にかえってきはりましたねえ、などと言われる。ぬくい。でもまた明日から天気が崩れるらしいですよとのことだったが、確かに今朝は未明から雨。
空港に着いて、すぐに電話。一日千秋の思いがするねと、ふたりとも。
_ 夕方近くまで、書類整理など。間で、えらい人と話など。その後、帰宅前に生協でばたばたと軽くご飯食べて、買い物。前の日から一日中、食べたり飲んだりし続けていたので、おなかがおかしくなっている。この夕食は、本日初めての食事であった。
夕方、無事に黒猫さんがトランクを届けてくれた。開梱して、整理。お風呂入って、ふとんに入ってうとうとしていたら、夫から電話。今日は定例の集まりがあるから遅いとは聞いていたけれど、一体何時だったのだろうか。眠りながら、電話で話し、夫の夢を見る。
_ 河童ラウンジにて。専用シャワールームを小一時間占拠。疲れております。今日はお昼前から夕方までなんだかうろうろしただけでした。ベルトを買って紅茶を買って、ほとんど1時間おきに何かを飲んだり食べたりして、夕方、一番仲のよい先輩とふたりで食事。ふたりの秘密を打ち明け合う。
結婚式にも来てくれた先輩で、写真を見せ合ったりして短い時間だったけど、充実した時間を過ごした。夫になった人とも結婚以来、たくさん打ち明け話をした。わたしたちは、結婚を決めてから付き合うようになったという、なんだか不思議なプロセスを辿ってきた。お見合いということではないのだが、今考えると、そういう気がしないでもない。夫になった人を残してひとりで帰国するのが不思議な感じ。結婚以来、ずっと毎日一緒にいたから、明日からひとりで寝るのかと思うと、不思議。それまでの何十年間だってひとりだったのにね。
_ 結婚してから約3週間。ようやく短い新婚旅行を兼ねた日本の在外公館への婚姻届の提出も済み…と思っていたのだが、書類不備で残念ながら婚姻届はまだ受理されていない。夫の出生証明書、コピーでよいのかと思っていたら、原本じゃないとだめだったとのこと。せっかく桃の節句にあわせたのですが、残念でした。
さてこれからどう生きていくのか。それが一番の課題。仕事とか生活とか、なにをどのように優先させて、どのように進めていくのか。理解のある夫に甘えてばかりではいけないとわかっているので、とにかく帰国してから生活を整理しながら考えていければよいのだが。
某国に帰国した先輩たちが小さなお祝いを開いてくれたので、昨日は久しぶりに飲酒。おいしかった。そこでも出た話題で、キャリア・アップと個人の生活とをどのようにすり合わせていくのか。むずかしいなあと思っているのはわたしだけではないことを確認して、むしろ気分は楽になる。明日帰国。
_ 無事に結婚式を挙げてから早10日。式は、わたしが予想していた以上にとても大きなもので、要所要所、大事な儀礼の段取りが省略されていたりしたのだが、基本的にはとても本格的な古式ゆかしい式を準備してくれた。とにかく儀礼用の服なので、最初の衣装の着付けが3時間、次の衣装の着付けが4時間で、ほとんど息も絶え絶えではあったけど、夫も介添え役の人もみなが大事にしてくれて、とても幸せな一日を過ごした。
幸せということばから遠いところで過ごしてきたから、どういうふうに体を置けばよいのか、戸惑うことが多い。でも結婚してよかったと、それだけは確かに感じている。自分のことを理解してくれる人がそばにいることの安心感が、わたしにもいろいろな余裕を与えてくれているような気がしている。
_ 独身最後の一週間であるが、心落ち着けて過ごすというところからほど遠い毎日を過ごしている。とにかく慌ただしい。本当は家でゆっくりと過ごし、日中はサロンなどに行くとかいう日々を想定していたのだが、大学の仕事の締めもあるし、毎日なんやらかんやらで、出かけていて、目の下にクマができまくっている。ついには友達に、一日ゆっくり休んでサロンにでも行った方がいいと命令されたのだが、そんな余裕も取れず、毎日12時過ぎに寝て、朝5時に起きている。とにかく、寝たいです。そういうわけで、結婚というプロセスを観察したり味わったりする余裕はゼロ。疲れまくっている。
_ ラギ [そんな無理してたらあきません。 衣装をまとって連日ほほ笑み続ける本番に向けて、 とにかく、休むべし、ですぞ。]