_ とてもお天気!朝から洗濯。
_ ボローニア紀行、おもしろい。外国のことは、とくにヨーロッパの国の自治については、ほんとうに全然知らないので、とても興味深く読む。アジアの国の独裁的民主主義との違いと比較すると、まさに成熟した都市国家という印象を持つ。アジアはほんとうは、民主主義どころか、超個人主義・家族主義なのに、むりむり独立した主権国家化を目指したところに不幸があったのではなかろうか。ひとつの国家を目指すことが悪いというのではなく、そこに至るプロセスがまずかったのだろう。エリートという階層が自治都市にはないのではなかろうか。エリートと非エリートからなる旧植民地国と、市民が存在する都市の違いなどを考える。とくに軍事エリート。それとお金に困らないチャンネルを持っている人。これはきっと華僑・華人社会とどんなつながりをもっているかということ。タイは非植民地国家などといわれてきたが、過日、選ばれた首相など、超エリート人生を歩んできた人であり、就任演説は確か英語でおこなわれたはず。特権的エリートがある日突然やってきて、さあみなさん民主主義などと呼びかけても、はてその言語が通じるだろうか。ボローニアがすべて正しいということはまだわたしには言えないのだが、思わずこのようなことを考えるほどに感化されてしまった。よい本。
_ 冷たい雨が止まない日。
_ いろいろな人が言及していることだけど、チャイナ・タウンやリトル・イタリー、リトル・インディアはあっても、リトル・ジャパンやリトル・トーキョーはなかなか滅多なことでは形成されないという話がある。夫になった人が住む街にも、実際に在留届を出している人の数を上回る日本人が住んでいると聞く。大学の多い街なので、そのほとんどは留学生であるというが、わたしのように現地で配偶者を得て、そのまま定住している人もやはり多いらしい。日本人会も置かれていて、不定期ではあるが領事手続きなどの出張サービスもある。が、たくさんいるとされている日本人が一同に集まる機会はまったくないようである。これだけ日本人がいるのだから、日本食レストランあるいは食材店などがあっても良さそうだが、実はないのである。食材は中華街の中華食材店にときどき見かける。あるいはコリアン食材店が業務用の大きなビンやパックに入った調味料を売っていたりする。が、とてもひとりでは使い切れない。かといって、共同購入するような仲間もなかなか見つけにくい。お昼ご飯をどこで食べるかでも、相手の財布を心配する必要があったり、心配されることがある。ひとりで行動するほうが気楽になるのは必然か。
母国以外の外国に住む人がみな同じだとはいわないが、外国生活における経済状態の格差やその他もろもろの格差は、予想以上に強固な壁となって、日本人ひとりひとりに張り巡らされているようでもある。あそこにも日本人がいるようですよ、あちらにも日本人がいるようだけど、みたことはない…。そういった囁き声がさざ波のように押し寄せるからには、どこに誰が住んでいるということには、みながそれなりに関心を持っているに違いない。それでも姿形が見えることはない。中国人社会における旧正月や、キリスト教世界におけるクリスマス、イスラーム社会における断食月といったイベントを、日本人が持たないからなのだろうか。他者と容易には交わりあうことがないのは、宗教的な要素の問題だけなのだろうか。
日本人会の構造は、日本における一流会社や高級官僚が頂上に据えられたヒエラルキー構造だとも聞く。そこにおける父母の立ち位置が、日本人学校における子ども社会にも反映されると言う人もいる。
自分自身は変わらずとも、社会的な立ち位置が変わることで見えてくる局面に、戸惑うことのほうが多い。とはいえ、日本人との付き合いにそれほど神経質にならなければ、問題はゼロに近い。ほとんどなにも問題はないような気がする。
_ 午後一番で、在外公館へ電話。過日、書類不備があって受け取ってもらえなかった婚姻届が正式に受理されたかどうかを確認するためである。夫になった人がすぐに書類を取って送ってくれたのが先週の木曜日。週末に着いたのだと思うけど、本日付で受理されましたという確認を取った。よかった。
お昼ご飯はひさびさに「さらさかもがわ」へ。何もかもおいしかった。小豆の入った雑穀ごはん、塩鶏と水菜のサラダ、豆板醤風の味がする白身魚の味噌汁仕立て。何一つ残さず食べた。
_ えらい人々と話など。
_ 中欧に長く暮らし、来月、出産予定の友達がいる。出産してから入籍の予定とのこと。どういう名字にするかとか、そういう話題。彼女の名字を正式な名字とし、夫の名字は第二名字?、カトリックなので洗礼名やらなんやらで、名前は3つもつけるのだとか。わたしは今のところ出産の予定もないし、名字とか名前のことで頭を煩わせる必要はない。よその土地の事例をあれこれと聞いてほーとかへーとか言うのは楽しい。
井上ひさしを読んで、ああ、イタリアに行きたいなと思ったりする。
_ 行ったり来たり。
_ 怖い夢を見る。明け方に見る夢はなにもかも総天然色で、なにか受け止めるべきメッセージがあるように見えるのだが、実際には夢を見た直後からどんどんと夢の記憶は退色していくから、午後には忘れてしまうことが多い。今日、明け方に見た夢は、少し怖いものだった。
_ 打ち合わせなど。