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  1. ね (10-09)
  2. ぜぶら (09-26)
lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

14-11-2013 / Thursday [長年日記]

_ アパートの部屋の引越しが終わり、ようよう荷解きも完了したと思ったら、今度は大学の部屋の引越しがある。今は、日本語学科の教職員が全員ひとつの部屋に集まっている。小学校や中学校の職員室のイメージで、机がコの字型に並んでいる。それぞれの机の前には、卒論指導用の椅子がおいてある。この部屋の構えがきらいな人はきらいだろうけれど、わたしは意外なことに、きらいではない。それが、文学部の教員はこれから全員一人一部屋というお達しがあったとのことで、今、すべての学科が民族大移動をしている。わたしも一部屋もらえるという話である。それでこの2週間はずっと落ち着かない生活をしていた。その2週間の間に中間試験もあって、睡眠時間も全然足りなかったし、家も大学もざわざわして全然落ち着かなかった。明日、新しい個人研究室へ引越しですよと、2週間前からずっと毎日毎日、お触れがあって、いつでも荷物が出せるようにとずっと荷物はダンボールに詰めっぱなしだったのである。で、明日かあさってにいよいよ引越しという最後?の通知が、今朝、出された。しかし、現時点で、移動先とされる部屋の壁はまだぶち抜かれていて、エアコンも取り外されていて、天井の照明でさえ、保護用のビニルがかけられている。でもきっとなんとかなるのだろうなあ。そういう国だから。不思議なことであるけれど、なにもかも最後にはつじつまがあうようになっている。なにもかもなぞだけど。


06-11-2013 / Wednesday [長年日記]

_ あっという間に11月に入って、もう6日になっている。10月の末、アパートの中で、一階から二階へ引越しをした。一階の部屋は、わたしのようなものにはもったいないくらい広くて快適で、涼しかった。お風呂も、小さいながらもちゃんとした洗い場があり、そこに腰かけて、髪を洗ったりくつろぐことができた。二階の部屋は、前に、知人が住んでいたときにみたことがあって、部屋のことはよく覚えていないけれど、お風呂が少し狭くて洗い場がちいさなシャワーブースがある、普通のユニットバスのような感じだったことを覚えていた。引越しを予定していた日よりも、数日早く、引越しをするようにとの連絡があったので、お手伝いさんと一緒にばたばたと荷物を二階に運んだ。リビングは、一階の部屋よりも二割ほど狭くなった。でもそのかわり、玄関からみて右手は部屋の奥行き分に三面の大きな窓がある。左手側にはバスルームと寝室。寝室は一階のへやよりも広く、作り付けのタンスも一棹分?多い。小さな整理ダンスもふたつあって、ドレッサーの抽出しも合わせると、収納はまったく問題無し。しかも小さなバルコニーがついていて、ここに洗濯ものが干せる。そしてこちらの窓からの風がとても気持ちよい。

寝室のエアコンもとても静かでよく動く(一階の部屋は、音だけはすごいのだが、まったくエアコン機能が働いていなかった)。欲を言えば、シーリングファンの状態が少し悪いことくらいか。台所に備え付けのあれこれも、一階の部屋のときよりもよかった。日本人的には、光がたくさん差し込む二階の部屋の方が、ずっと好み。こちらの人は、窓はできるだけ小さく暗く、日中も全然、空気を入れ替えたりしないのが好みなので、普通の家の窓は小さくて遮光ガラスになっている。でもこのアパートは、基本的に外国人向けあるいは都市生活者向けなので、窓は透明で大きく、風がたくさん入る。なので、昼間も窓を開けているのは、わたしと二階のトルコの人だけ。あとの部屋のこちらの人たちは、全員、窓を締め切っている。そしてエアコンをがんがんと入れている。

お風呂の記憶も、思っていたよりはずっと広くて、お風呂用のプラスチックの椅子を買ってきたところ、それで全然オッケーになった。快適に暮らしている。ただ、大学からちょっと遠いのだけが難点。

10月の中頃、お給料はいつ、どうやってもらえるのかなと、秘書さんに尋ねたところ、たぶん学期末だろうと、普通の顔で言われた。ええー。と唸ってもどうしたって、出ないものは出ない国である。心証を悪くするのも得策ではないので、ああそうですかと受け止めた。仕方がないです。

二階の部屋に移動したら、インターネットを引こうと思っていたのだけど、二階のわたしの部屋だけ、電話回線が届いていないとのこと。お給料も出ないし、これも今少し、ベンディングと相成った。

二ヶ月が過ぎたけれど、未だ、仮住まい感を払いきれないのは、こういうもろもろのせいなのかなと、あれこれ考える毎日です。


11-10-2013 / Friday [長年日記]

_ アパートに落ち着いたものの、アパート内でまた別の部屋に移動しなければならないため、まだ完全に荷解きが出来ない上に、預けている荷物を運んでくることもできず、手持ちの衣装をやりくりしながら生活している。でも案外、困らないでいるのは、選択肢がなければそれなりにいろいろな欲が抑えられるからなのかもしれない。

日本からもっと持ってくればよかったと思っているものの代表が、ゴキブリ退治の薬と、インスタントだしの素みたいなものと、吊り下げ式の蚊避け薬と、本。ゴキブリを侵入させないためにも、徹底的に生ごみや食べ物を管理している。こちらでは野菜不足になる上に、油を使った料理が多いので、家ではいつも煮物を食べている。煮物とキャベツをたくさん使ったお好み焼き、子どものためにちいさい魚を使った煮物や蒸し物という料理ばかり。お好み焼きソースは持ってこなかったので、オイスターソースを代用している。とくに問題はなし。あとはきゅうりの酢の物を大量に作りおきしておいて、漬物がわりにしている。もっと時間ができて、新しい部屋に落ち着いたら、ぬか漬けをしてみたいとか、いろいろ考える余裕ができたのは、本当に最近のこと。子どもも今回はもう物心がすこしついているため、保育園や新しい生活に馴染むのに、ものすごくたいへんだった。今日は午前中、ホテルのプールで水泳という遠足があった。それがうれしかったようで、本当に今日、初めて、泣かないで、笑顔で保育園に行った。わたしは授業がない日だったので、一旦、大学へ行き、同僚のバイクを借りて、イミグレーションへビザのことで出頭したのだが、その帰り、保育園の前を通ったら、ちょうど遠足から帰ってきた子供たちがぞろぞろとスクールバスから下りているのが見えた。子どもは、お気に入りのカバンを斜めにかけて、髪を撫で付けながら下りてきたところだった。その姿がもうすっかりおねえさんで、なんと背が高くなったことだろうと、ちょっと胸が詰まってしまった。「赤毛のアン」の終わりのほうで、マリラがすっかり娘らしくなったアンの姿に改めて気がついて、やはり感無量になるとともに、「小さかったわたしのアンはもういない」と涙ぐむ場面がある。ちょうどそんな感じだったようだ。

まだ家にネット環境がないので、なかなか不便もあるけれど、なんとか生存しております。


13-09-2013 / Friday [長年日記]

_ 日本の大学からの先生の特別講義で通訳。某国語力が低下していることを痛感。遅ればせながら、昨日から新聞を毎朝買ってから大学に行き、気になる記事をクリッピングして速読しながら訳していき、単語チェックするのを始めた。全盛期とおなじくらいのレベルに戻したい。

アパートに移るまで、学部が所有するゲストハウスに住んでいる。ゲストハウスは構内にある。この区画は大学創設の際に貢献した名誉教授のかたがたに年金代わりに用意された住宅区で、緑が多く、道幅も広く、とにかくびっくりするくらい空気が澄んで静かな場所だ。朝夕、散歩しながら子どもを保育園に送ったり、構内のフードコートへ夕食を食べに行ったりしている。今日の夕方、フードコートに行ったとき、男女二人ずつの4人組みがあいだにひとつおいたテーブルに座っていた。一番大きな声で日本語を話している若い男性は、どこから見てもこちらの人の顔。ところが、完璧な東京方言の若者言葉を操っていた。あとの3名は同世代の若い人たちだけど、この人たちの話し方と決定的に違っていたのが語彙の豊富さ。どんなバックグラウンドの人なのかまったく想像もつかないけれど、これだけ外国語が話せたら、夢は広がるだろうなあ…とうらやましい思いがした。というか、本人にとってはもはや日本語は母語なのだろうけれど。

この季節は右を向いても左を向いても、日本人ばかり。大学院の同期も来ていて、いろいろ話す。

子どもは最初こそ、ほんとうにたいへんだったけれど、保育園では仲良くしてくれる年上の友だちがふたりいて、この頃は喜んで出かけるようになった。それでも、先生にお願いしますと子どもを預けるときは、泣いたり暴れたりでたいへんなのだが。そして涙で顔をぐちゃぐちゃにしつつも、「ママ、おやつお迎えしてね(3時頃に迎えに来て欲しいの意)」と言って、わたしを送り出してくれるのである。。えらいなあ、ありがとう〜といって子どもに手を振って階段を下りていく。子どももわたしも、新しい環境でとにかくなんとかがんばっている。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ ぜぶら [落ち着くべきところに落ち着いたようですね。 何よりです。 here and nowの幸せを祈ります。 お暇なときに..]

_  [ぜぶらさん、ありがとうございます! まだばたばたしていますので、時間見つけて、お便りします。]


08-09-2013 / Sunday [長年日記]

_ 明日から授業。新入生は年々、減少していて、今年は31名。すでに検定試験の中級レベルに合格している人も数名いる一方で、まったくのゼロ初級もかなりいる。ガイダンスのときに、「親に、文学部の日本語専攻なんかに入って、いったい将来、なにをするつもりだといわれた。就職できますか」と質問する人もいた。こちらの先生は、実に鮮やかにその質問に対応されていたので本当に感心した。その回答を一言で書くとしたら、「大学で勉強するのは自分自身」。もともと、こちらの筆頭大学の哲学科を出ている先生なので、とても明快に、論理的に答えておられた。こういうやりとりを、新入生との顔合わせの場で聞けたことは、とてもよかったと思う。もうあまり日本ではみられなくなったような、厳しさをベースとした信頼関係みたいなものがこちらにはまだ濃厚にあって、とくに日本語専攻は寺子屋的な雰囲気が漂う。学生は、職員室に入ってきたら、全員の先生にひとりずつ握手していき、用事のある先生のところへは最後に回る。週に一回、専攻会議があり、翌週、各回生で何を学習するか、先週、どんなところで授業がうまくいったか、躓いたかを発表する。

授業中に飲み物を飲むのはOK、食べ物はだめ、でもあめちゃんくらいならよい、机に突っ伏して寝るのはアウト、携帯電話は教室に入る前に電源を切る!とか、そういったことは徹底させるようにと、同僚の先生たちから言われている。こういったことに厳しいのは、日本の大学で教えた経験がある先生たち。

わたしは本当に、これから必死で勉強していかないといけない立場なのだけど、そういうことも含めて、同僚の先生方が、わたしがやりやすいように、まずはやりながら考えてみましょうと言ってくださる。本当にありがたい。

今学期は日本語だけ教える予定だけれど、来学期からはわたしの専門を大学院で担当することになっている。これも不安で仕方がないというのが正直なところ。

昨今の学部to学部レベルのMOU締結の流行で、日本の大学の夏休み期間は、ほとんど毎週のように、短期交換留学や研修の大学生たちがきていたそうだ。今もふたつの大学から来ている。来週はもうひとつ。先週は、一番親しい大学の先輩がMOU締結準備のために来ておられた。来週は、短期調査で大学院の同期が、連続特別講義として某国研究の重鎮先生がお見えになる。来月は客員教授の特別講義として、恩師が来られるとのこと。そういう際の、要員として動くことも求められているので、きちんとこなしつつ、授業準備も手を抜かないというのを堅実に進めていかねばならぬ。。がんばるしかない。


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