_ 月に一度のお弁当の日ということで、たいへんでした。子どもは、アルマイトのうさこちゃんとふがこさんのイラストが付いたお弁当箱が大好きである。今日はお弁当の日だと前日からわかっていた模様で、朝からうるさく飛び跳ねる。お弁当のおかずを作って味見をさせると、朝ご飯はお弁当箱で食べたいという。仕方なく、すべてのおかずをお弁当箱に詰めて、子どもが食べ終わるのを待つ。子どもは、世界地図になっているレジャーシート(100円ショップにはなかなかステキなものがあったりします)を広げて、その上でお弁当を広げて食べている。デザートの果物まで!これじゃあお昼にお弁当を広げたら、朝ご飯とおなじ中身でつまらんぜよ、、と思ったので、急遽、追加のメニューを適当に作り、大急ぎでお弁当をまた詰め直して保育園に行く用意。お弁当用のうさこちゃんのカバンを肩にかけて、子どもは胸を躍らせているのだろう、また長靴を履いて、足取り軽く、保育園へ向かった。
_ 図書館で借りた本:ジョディ・ピコー「わたしのなかのあなた」。カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」が扱っていた主題の裏と表というのか、アメリカとイギリスという違いなのか。基本的に、読み応えのある内容だと思う。しかし多くの人と同じように、わたしもまた、法廷のシーンで終わっていてくれたらよかったのにと思った。が、そのあとの出来事があってこその、本書の主題につながるのかなとも。つまり、だれも人の運命を変えようとして変えられるものではないということ。しかし、自分の運命は変えようと思えば変えられる。ただしそこに、自分でも他人でもない「誰か」が運命を動かしてしまうことがなければの話。「誰か」というのは「なにか」かもしれない。生きているようで、生かされているようで。生かされているようで、生きているようで。
_ 今年度から中学校の体育で、ヒップホップダンスとやらが必修になったとか。。わたしが中学生だったら、絶対に、それだけで登校拒否もどきになっているんじゃなかったかと、もう中学校を卒業していてよかったと胸をなで下ろす。しかし一方、うちの子どももそういうのが得意でない可能性もあるわけで、学校に行くのがいやだとかそういうことにならないかと早、心配であったりもする。これが盆踊りとか花笠踊りとか阿波踊りとかだったら、まだなんとなく納得がいくんだけど、ヒップホップ???なんでやのん???先生かって、困る人もいたはるのとちゃうのん???ヒップホップ不登校(教師と生徒の両方)とかになったりしないのかな。大体、ディスコ(今はクラブでしたっけ?)にも行かなかったし、人前ででんぐり返しとか倒立前転してばたんとこけたり首を捻りそうになって死ぬ思いをした経験があったりするから、常にできない人の立場に立ってしまうのが悪いのかもしれない。でもなんか、なんかね、わたしそういうのだったら太極拳とかヨガとかのほうがずっといいと思うタイプです。なんだかんだで超文化系人間のくせに体育会の部活をしていましたが、踊るというのは、究極の自己表現で、そういうのが得意な人とそうでない人がいるということを、身体能力に対する評価とは別のところで、ちゃんとわかってあげてほしいなあと思ったりもします。ちなみに国語が大の苦手で、作文とか読書感想文が一番苦手でありました。それもまた別の次元での自己表現がへたくそだったということなのだと思われます。なんだか日本で学生やるというのも、段々、大変になっていくのかも知れないなあなんて思ったりしています。
_ 子どもと動物園へ。以下、親ばか遠足です。京都・大阪・神戸のいずれにいこかと思案して、あみだくじを引いたところ、大阪に決まった。水筒、カメラ、タオル、オムツ、着替えなどを持って、子どもと出かける。子どもは出がけに見た天気予報に従い、折りたたみ傘をカバンに入れたのをみて、即座に長靴を履いていくことに決めたらしく、なんとなだめすかそうとしても、長靴を履いていくのだとがんばる。まあ夕方には降るかもねとあきらめて、電車に乗っておでかけ。乳母車は持って行かず、できるだけ歩かせようと思うも、敵は初めから抱っこしか考えていない様子。阪急電車の中では遠くにいち早く新幹線を発見し、「新幹線でGo!Go!」を歌い始める子ども。ようあんな遠いところに走ってんの見えるもんやな−、と感心する。動物園に行くのだから、動物園前で降りるものだとはなから疑わずにいたのが間違いで、えらく賑やかでなんとなくおとろしいような雰囲気の商店街(串カツやと将棋やさんばっかり並ぶ)を通り抜け、正門前へ。というか、普通に環状線に乗って、天王寺で降りたほうが気持ちのいい道だった模様。動物園に入って、最初に見たのはゴリラとオランウータンであるが、非常に湿度の高い日だったからなのか、熱帯から来た彼らもまたぐったりとしていて、まったく精彩に欠く。といっても、われわれも、ゴリラとオランウータンは、某国やら河童国の動物園で何度も見ているので、さほどにがっかりしなかったのであるが、思えばこれがその日の動物さんたちすべての状況を象徴するものであることに、まだその時は気がつかなかった。ふたつだけのスタンプラリー会場となっている象さんの森を通り抜けて、景品をもらったりなんかして、しばらくじっと象さんをみながら、象さんの歌を歌ったりした。次に見たのは鳥さんたちの超大型ケージ。子どもは鳥よりも、中を流れる鳥さん用の小川にもっぱら関心を引かれた様子。目を離すと小川に入ろうとする。長靴だからね!夜行性動物館に入る。真っ暗な中、タヌキ、ハクビシン、小さな小さなカンガルーみたいなの(子どもは小さいトトロだと思っている)そしてアライグマなどがいる。アライグマの顔が妙にはっきりと見えたこと、子どももしっかりとその顔をみたこと、このことが後の子どもの大発見に繋がった。夜行性動物館をあとにすると、隣接するレッサーパンダ館。レッサーパンダって、パンダの親戚ではないみたいだよ、などと話しながら進むと、子どもが「アライグマとおんなじかお!」と叫ぶ。まあ、ほんとだそっくり、、でもたぶん違う種目だとおもうよ、、と解説に目を向けると、なんとレッサーパンダはアライグマ科であった。わあ〜、すごいね、アライグマとレッサーパンダがおんなじって、あんたすぐに気が付いてんね〜、とすっかり親ばかモードに入るわたし。興奮しながら、ちょっと休憩してジュースを飲む。それからは虫類館へ。子どもはカエルが大好きなので楽しみにしている。しかし実際にはたくさんいたのはカメさんたち。リクガメが何種類も山ほどいる。と、子どもが大きなリクガメをみて、ぞうさん!ぞうさん!と叫ぶ。ゾウとカメは全然似てへんで〜と笑いながら、解説を読むと果たしてこのカメは「ゾウガメ」であった。きっと最初にゾウガメを見た人も、子どものようにまっさらな気持ちの人で、ゾウとカメの相似に気が付いたんだろうなあ。ほんとにすごいね!と、また子どもをひとしきりほめて、大急ぎであちこちを見て、早めに帰宅。今度は天王寺駅まで歩いてJRに乗った。子どもは予想どおり、長靴でぽくぽくと動物園内をおもいきり走り回ったために、疲れ果ててずっしりと寝込んでしまっている。なにか食べて帰ろうと思っていたのだけど、もうどこにも寄らず、電車に乗って席に着いたら、わたしもすっかりと眠り込んでしまった。家に帰る途中で、押し寿司のおいしいお店でお昼ごはんを買って、家に帰って水浴び代わりに冷たいタオルで顔と体を拭いたら、二人ともまたずんと眠くなってしまって、昼寝をたっぷりとすることになった。夕方、急に雷鳴が轟き、あっという間に雨が降り出した。昼寝から覚めた子どもと動物図鑑を見ながら、楽しかったね、この動物はいなかったなあ、パンダを見るならやっぱり神戸かな、、と話ながら一日を振り返る。あ、そういえば、全然写真を撮らなかった!また今度、一緒に行こうね。それにしても、レッサーパンダはアライグマ科なんだ、、と、ずっとずっとひとりごとを言い続けたわたしです。体はアライグマのほうが大きかったかな。子どもはゾウの背中に乗ったこともあるし、オランウータンと握手をしたこともあったし、キリンも大好きなんだけど、一番見たかったのは実はカバであった。ところが、カバくんはこの日、次の日に予定されていた虫歯の日の歯磨きイベントの練習のためなのか、室内にも屋外にもどこにもいなかったのであった。日曜日の夕方のニュースで、天王寺のカバくんが歯磨きをしているのを見て、今日行けばよかったねと残念会をしたのであった。また動物園に行こうね。
_ 子どもがクマのぬいぐるみをおんぶして、「くまちゃんが熱を出したよー」という。そりゃ、たいへんやなーといって、引き出しから体温計を出すと、たいへん慣れた手つきでボタンを押し、くまちゃんの脇に挟んでやったりしている。エラー表示が出た体温計を見て、「お薬を飲むの!」という。冷蔵庫に常備している熱さましのジェル状シートを出して欲しいという。くまちゃんの額にシートを貼って、子どもは枕元に座り、ときどきタオルで汗を拭いたりしてやっている(らしい)。子どもって、ほんとによく見ているものだ。。
子どもの髪が伸びてきたので、新聞を床に敷いて、散髪屋をした。子どもは神妙な面持ちで、じょきじょきという鋏の音に耳をすませ、微動だにしない。そして時折、持たせている手鏡を見ている。こちらは緊張の度合いが高まり、手が震えて、恐ろしくおかしな髪型に切ってしまった上、一人で大爆笑してしまったりした。すると子どもも何か楽しいことがあったんだねおかーさん、という表情でやはり笑っている。いつまでこうして髪を切らせてくれるだろうか。
_ 例によって、朝、子どもを保育園に送っていったあと、残りのコーヒーを飲みながら新聞読んで、予約本を取りに雨の中、傘を差して返却本の重さをずっしりと肩に食い込ませて、図書館へ。月に一度のケーキの日なので、子どものケーキを帰りに買い、日付の過ぎたうどんであんかけを作り、ぼんやりまたいつものようにYouTubeで時間を潰していた。押尾コータロー、谷村新司、坂崎幸之助が歌う「遠くで汽笛を聞きながら」を聞きながら、不覚にも落涙。ーー俺を見捨てた人を恨んで生きるよりーーむなしい涙の捨て場所をーー探してみたい、遠くで汽笛を聞きながらーーなにもいいことがなかったこの街でーー。わたしの汽車がいつ来るのかわからないし、切符をどこで探せばよいのかわからないけれど。そのときまで、がんばってみること。
_ ラギ [素敵な休日でしたね。そういやわたしもかつて動物園前駅から降りて、「おおっ」と。それはそれでディープな大阪観光になりま..]
_ ね [ そうそう、あそこはベビーカーなんかで通過しようとすると、違和感が倍増する感覚がしますね(笑)。でもきらいではありま..]